火葬場の喫煙所で(小説)

いい人だったよね

あの人はいつも気さくでみんなを笑わせようとして明るいいい子だった

ミスもたくさんしたけどそこも人間らしい愉快な人だったよ

 

でもあの声がどうも苦手で

声でかかったね

ちょっと捻った言い回しがいつも不愉快だった

オタクっぽいというか

理屈っぽいというか・・

ちょっとついていけない時あった

 

結構人によって態度変えてたよね

胡麻をすってる時わかりやすかったなあ

ちょろい人たちは騙されてたよ

あわよくばモテようっていう魂胆がすけすけでさ

なんで今日色気付いてんの?みたいなときあった

仕事に集中しなよって

いい歳して恥ずかしい

勝手にすればいいけど

私の周りにはいないでほしいタイプかな

 

やっぱり仕事ができないとろくなもんじゃないね

あっあのsnsでもさ

すげー偉そうなことかいてたよ

自分はどうなの?って毎回突っ込んじゃったよ

何言ってんのかよくわかんないから途中からもう見てないよ

 

不機嫌になると態度に出てたし

口数少なくなってすげー早足で移動する感じね

言動もだけどやっぱまだ未熟なのよ

経験が足りないんだね

親が甘かったのか

 

変わってると言われたくて演じてるとこもあったよ

自分は特別だと信じてるタイプかな

全然普通だから

気づかないとどんどんイタい大人になっちゃうんだ

まあ教えてくれる人も周りにいなかったんでしょう

可哀想な人